過払い請求Q&A
過払い請求に関するQ&A
まず過払いに関する疑問・誤解を解いてください。
- 過払い請求に関するQ&A
- 過払いって何ですか?
- どうして過払いになるのですか?
- 何年取引すれば過払いになりますか?
- 契約書がないんですが、過払い請求できますか?
- 借金が残っていても過払い請求できますか?
- 何年も前に完済したんですが、過払い請求できますか?
- 過払い請求にはどれぐらいの時間が必要ですか?
- 過払い請求は裁判が必要ですか?
- 裁判にはどれぐらいの時間がかかりますか?
- 裁判にはどれぐらいの費用が必要ですか?
- 過払い請求を家族に内緒でしたいんですが・・・
- 亡くなったお父さんが以前借りていたみたいなんですが・・・
- 過払い請求するとブラックリストに・・・
- 以前借りていたサラ金が無くなったら・・・
- 以前に自己破産したのですが・・・
過払いって何ですか?
「過払い」とは読んで字の如く、「払い過ぎ」のことです。
サラ金・カードキャッシングなどを長年繰り返すことで起こる現象です。
現在では、大手サラ金・カード会社は、利息制限法という法律の範囲内・違反しない利率で営業を行っています。
しかし、平成20年頃までは、法律で規定された利率を超える営業を行っていました。
その法律で規定された利率を超えて支払っていた利息は、結果的に「払い過ぎ」たことになり、
「過払い」「過払い金」などと呼ばれています。
どうして過払いになるのですか?
「過払いって何ですか?」で説明したとおり、
サラ金・クレジットカード会社は、法律の規定を超えた利率で営業を行っていました。
たとえば、50万円を1ヶ月間借りていた場合の利息は、
元本 × 使用日数 ÷ 365日 × 利率 = 利息金 と計算されるので、
18%の場合は
500,000 × 30 ÷ 365 × 0.18 = 7397
29.2%の場合は
500,000 × 30 ÷ 365 × 0.292 = 12000
その差額は、4603円。 これが払い過ぎた利息金です。
この払い過ぎた利息金は、残っている元金に充当されます。
通常のケースでは、50万円の元金に対して、月々15000円程度の返済と決められていますから、
1回目の返済時点での残高は、29.2%で計算すると497,000円、18%では492,397円となります。
2回目の返済時の利息の計算は、利率だけではなく元金も修正されるため、
497,000 × 30 ÷ 365 × 0.292 = 11,927
492,397 × 30 ÷ 365 × 0.18 = 7,284
と、法律上の借金残高と貸金業者の請求する残高の差額(過払い金)は、1回目よりも大きくなります。その差額は返済を重ねる毎に大きくなっていきます。
そして、このような取引を長期間行うことで、法律上の借金が無くなっているにもかかわらず、借金があるかのように請求され続けることが起こるのです。
何年取引すれば過払いになりますか?
過払いが発生するには、長期間の取引が必要だと説明しましたが、
何年で過払いが発生するなどと断言することはできません。
過払い金の計算は、貸付利率や取引期間、延滞の有無、途中完済の有無、途中解約の有無などのたくさんの要素から計算されるものです。
限度額がいくらで、月々いくらずつ何年返済していたか。
などの要素だけでは正確な過払い金(法律上の残高)はお答えできないのです。
一部の債務整理関係事務所では、そのような要素のみで、
「●●●万円の過払い金が発生しています」
などと顧客化、誘引のため、断定的な事実として告げることがあるようですが、すべての要素が明らかにならない限り正確な過払い金が判明することはあり得ません。
契約書がないんですが、過払い請求できますか?
カード・レシート・契約書・請求書など、借金の内容がわかる書類があるに越したことはありませんが、無くても何も問題ありません。
もちろん相談の際には、それらの証拠があった方が、詳しく説明することが可能になります。
借金が残っていても過払い請求できますか?
現在、借金残高があるものとして、請求・返済している状況でも、
法律上返済義務があるのか、もしくは、すでに払い過ぎ(過払い)の状態なのかは、
計算して見なければわかりません。
払い過ぎであれば、当然過払い請求可能ですし、計算の結果、借金が残る場合には、その他の手続を選択することになります。
何年も前に完済したんですが、過払い請求できますか?
過払い金は、法律用語では、「不当利得」と言います。
この「不当利得を返せ」と求める権利を、「不当利得返還請求権」と言います。
この不当利得返還請求権は、10年間行使しなければ時効により消滅する、と法律・裁判例で確定しています。
では、その10年間のスタートは、いつの時点になるか?
この点について、貸金業者と争いになっていましたが、平成21年になって、
「取引が終了したときからスタートする」と判断されました。
したがって、何年もの取引の最後に完済、解約した時点から10年間は、
「過払い金」の返還請求は可能です。
過払い請求にはどれぐらいの時間が必要ですか?
相手方の会社によって、回収までに要する期間は様々です。
2ヶ月で回収できることもあれば、分割返済によって1年を超えることもあります。
回収に時間を要する原因は、相手方の対応、体制、経済的状況などですが、取引内容に裁判で未解決の争点がある場合も、裁判に時間を要することもあります。
現状では、過払い金を請求したところで、「耳をそろえてすぐ返します」などの対応はあり得ません。
相手方により若干の違いはありますが、過払い金の返還には、「とにかく抵抗する」そんな姿勢です。
過払い請求は裁判が必要ですか?
答えは「YES」でも「NO」でもあります。
相手方が請求額をすんなり支払えば、裁判は必要ありません。
相手方は請求額をすんなり支払いません。
であれば、強制的に支払わせるためには、裁判が必要になります。
参考までに当事務所での、平成21年の過払い請求事件での提訴率は約80%です。
裁判にはどれぐらいの時間がかかりますか?
ケースバイケースです。
1回の訴訟期日で終わることもありますし、5回、6回と期日を重ねることもあります。
相手方、内容、担当裁判官などの要素により様々です。
ちなみに裁判の期日は、1ヶ月に1回程度ですので、6回の期日を重ねると半年もの期間が必要になります。
ざっくり平均すると、提訴後1~4ヶ月で和解または判決。その後1~2ヶ月で入金。こんな感じです。
裁判にはどれぐらいの費用が必要ですか?
裁判手続を利用するには、手数料が必要です。
貸金業者への過払い請求事件も、その他の事件も同じです。
手数料の内訳は次のとおりです。
- 収入印紙
求める金額によって変動します。100万円の請求の場合、1万円。 - 郵便切手
裁判上の書類の送付のために裁判所に預けます。神戸簡裁は5680円分。 - 代表者事項証明書
訴状の添付書類です。通常1000円。オンラインで取得すると700円。
合計すると、16,380円。
なお、要件が合えば収入印紙の半額分が還付されます。(要申請)
郵便切手も余った分は返却されます。
過払い請求を家族に内緒でしたいんですが・・・
可能です。
ただ、残債務がある状態での過払い請求だと、次回返済日と司法書士の介入日が接近している場合、延滞の催促の連絡がされる場合があります。司法書士・弁護士から受任・介入通知を受け取ったあとに、本人へ連絡することは、金融庁貸金業事務ガイドラインによって禁止されています。
任意(裁判所を利用しない)で和解に至る場合は、相手方と司法書士の交渉ですので、本人への連絡はありません。
簡易裁判所で代理人として関与する場合には、すべて訴訟代理人である司法書士へ連絡されます。裁判所から本人へ連絡されることはありません。
地方裁判所で、書類作成者として関与する場合は、相手の業者によっては、本人宛に答弁書などを送りつけることが稀にあります。
この場合も、司法書士が送達受取人となるので、裁判所からの連絡は司法書士へ行われます。
ただ、絶対にバレないとは言い切れません。裁判手続は公開されることが大原則ですので、誰でも裁判の傍聴が可能です。裁判当日に知り合いの方が裁判所を絶対に利用しないとは言い切れませんから。
亡くなったお父さんが以前借りていたみたいなんですが・・・
相続人からの過払い請求は可能です。
ただ、借金が多額で相続放棄をすれば、相続人でなくなるので、被相続人(この場合、お父さん)の権利は相続人に帰属せず、過払い金も請求はできません。
詳しくは、当事務所の相続手続HPをご覧ください。
過払い請求するとブラックリストに・・・
貸金業者へ完済し、解約済であれば、非会員です。つまり何の関係も無い状態。
何の関係もない人の情報を、信用情報機関へ登録することは出来ません。
つまり、ブラックリストには載りません。
契約上の債務が残っているが、実際には過払い状態。この場合は、「契約見直し」と登録されます。
信用情報機関へ「契約見直し」ってどういう意味ですか?と問い合わせると「過払い請求したんじゃないですか?」といわれます。
要するに、信用情報に何らかの記録が残りますが、破産や踏み倒しとは異なった情報です。
以前借りていたサラ金が無くなったら・・・
数年前までは大手サラ金の役員らは、長者番付の常連だったのですが、過払い金の返還請求が活発になったことや、貸付利率の低下により、貸金業者の収益状況も悪化しているようです。
新規貸付けの停止や、店舗の閉鎖などの動きもあります。
そのような状況において、中堅サラ金の破綻や会社更生などもあり、今後も貸金業者の破綻があるかもしれません。
以前借りていたサラ金が無くなったら・・・。まず本当に無くなったか調査します。どこかの会社に合併される、債権が譲渡されるなどで、実際には無くなっていないケース、過払い請求可能な場合もあります。
たとえば、最近だと、「タンポート」という社名が無くなりましたが、「クラヴィス」と名前を変えて存在しています。
「タンポート」は、さかのぼると「ぷらっと」「リッチ」「シンコウ」などの名前で営業していたので、無くなったように思えますが実際には存在しています。
このようなケースは他にも「ハッピークレジット」「マルフク」「アリスコ」「ユニマット」「アイク」「日立信販」など数多くあります。
事実上、会社が消滅して請求不可能な場合もありますが、請求可能な場合もありますので、あきらめずに、そしてお早めに相談してみることをお奨めします。
以前に自己破産したのですが・・・
過払い請求が一般的になってから10年も経っていません。
現在では、自己破産を申し立てる際には、利息制限法に則って取引履歴の引き直し計算を行い、法律上の借金をきちんと調べ、過払いが生じていないことを確認する必要があります。過払い金が発生していれば、破産申立人の財産として計上することを求められているのです。
しかし、過払い請求が一般的になる前は、引き直し計算をしないまま、自己破産が申し立てられ、認められていました。
ですので、たとえば7年前に自己破産を申し立てた人の中には、実際には過払い金が発生していたケースが少なからず存在します。
裁判所や弁護士などが関与しながら、実際には破産の必要がなかった人がいるということです。
そのような方は、自己破産し免責を受けていたとしても、その時点で生じていた過払い金を請求する権利を失っていません。
ただし、自己破産申立てが10年以上前であれば、過払い金返還請求権が時効によって消滅したと判断され、その請求は困難になります。

