今年(平成27年)から相続税が改正されました。
それに合わせて贈与税も改正されています。(贈与税は相続税の補完税ですので)
今般の改正、おおまかには相続税の「増税」と贈与税の「減税」です。
- 相続税について
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- 基礎控除額(非課税枠)の減少
- 税率構造の変更
- 贈与税について
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- 親子間での贈与の特例を新設
- 高額な贈与の税率の変更
- 相続時精算課税制度の範囲を拡大
まず対象となるのは?
相続関係のお客様から、よくお問い合わせ頂くのですが、今回の改正の対象となるのは、
平成27年1月1日以降に開始した相続が対象です。
平成26年までに、相続が発生している(被相続人が亡くなった)ケースは、増税前の相続税法が適用されます。
贈与についても同じく、平成26年内の贈与については旧規定、平成27年1月1日以降の贈与については、新規定が適用されます。
誤解されている方々はご安心を!
控除額(非課税枠)の減少
平成27年1月1日以降、相続税の基礎控除額が従前の60%に減らされています。
つまり、以前までと比べると相続税の課税対象の方の範囲が広がりました。
いままでの相続税の対象が「超富裕層」に限られていたものが、今後は、「わりと富裕層」の方でも相続税について考える必要があります。
税率構造の変更
- 最高税率が50%から55%へ引き上げ
- 税率の細分化
この2点については、前項と異なり、「超富裕層の方々」への課税を強化したものです。
太字の項目が新設された項目です。
平成26年以前 | 平成27年以降 | |||
各法定相続人が相続する資産額 | 税率 | 控除額 | 税率 | 控除額 |
1000万円以下 | 10% | - | 10% | - |
1000万円超~3000万円以下 | 15% | 50万円 | 15% | 50万円 |
3000万円超~5000万円以下 | 20% | 200万円 | 20% | 200万円 |
5000万円超~1億円以下 | 30% | 700万円 | 30% | 700万円 |
1億円超~2億円以下 | 40% | 1700万円 | 40% | 1700万円 |
2億円超~3億円以下 | 45% | 2700万円 | ||
3億円超~6億円以下 | 50% | 4700万円 | 50% | 4200万円 |
6億円超~ | 55% | 7200万円 |
相続税改正の影響
今回の相続税の改正でもっとも影響が生じるのは、いままでは課税対象ではなかった方が、新たに課税対象になる可能性が生じたことです。
高額な資産をお持ちの方の課税強化も含め、相続税の対策が今まで以上に重要になっています。
あわせて行われた贈与税の改正では、税負担を軽減し、贈与を使いやすく改正されています。
したがって、生前贈与を利用した相続対策が重要です。
贈与税の改正については、次回、紹介させて頂きます。