相続手続

相続税・贈与税の改正②

本年から相続税・贈与税が改正されています。

前回は、主に相続税の改正に関する解説でしたが、今回は贈与税について。

贈与税の改正ポイント

贈与税について
  1. 親子間での贈与の特例を新設
  2. 高額な贈与の税率の変更
  3. 相続時精算課税制度の範囲を拡大

昨年までは、親子間であろうと、他人どうしであろうと、贈与税に関しては何の区別もありませんでしたが(一部夫婦間の特例や住宅資金の特例等あり)、今回の改正により、親子間、推定相続人への贈与については、減税する方向で改正されました。

さらに、今までは1000万円以上の贈与については、一律50%の贈与税が課せられていたものを、段階的に課税するように変更されています。

親子間では4500万円、他人間では3000万円を超える贈与に対しては、55%と最高税率は上がりましたが、全体的には、贈与税は減税されたものと考えられます。

詳しくは、下記の表でご確認ください。

平成26年まで 平成27年以降
基礎控除後の
課税価格
税率 控除額 子・孫への贈与 それ以外の贈与
税率 控除額 税率 控除額
200万円以下 10% 10% 10%
300万円以下 15% 10万円 15% 10万円 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円 20% 30万円 30% 65万円
1000万円以下 40% 125万円 30% 90万円 40% 125万円
1500万円以下 1000万円超
50%
225万円 40% 190万円 45% 175万円
3000万円以下 45% 265万円 50% 250万円
4500万円以下 50% 415万円 3000万円超
55%
400万円
4500万円超 55% 640万円

ちなみに500万円、1000万円、2000万円の贈与を行った場合の、旧規定・親子間の新規定・他人間の新規定で計算しますと、以下の表のとおり、若干ですが減税されているのがお分かりいただけると思います。

贈与する金額 平成26年まで 平成27年以降
子・孫への贈与 それ以外の贈与
500万円 530,000円 485,000円 530,000円
1000万円 2,310,000円 1,770,000円 2,310,000円
2000万円 7,200,000円 5,855,000円 6,950,000円

親子間の贈与の特例の要件

新設された「親子間の贈与」の優遇措置の要件は、
贈与を受けた年の1月1日現在で20歳以上の直系卑属が父や祖父母から贈与を受けること

「直系卑属」が要件となりますので、義理の娘への贈与には使用できません。

もらう側には要件が定められていますが、あげる側には要件はありません。

また、相続時精算課税制度でも似たような要件があり、そちらの方は、あげる側にも「60歳以上」との要件があるのでご注意ください。

贈与は使いやすくなったか?

今回の改正により、贈与税は減税されました。相続税が増税されたことと合わせて考えると、相続の前に贈与する方がお得なように感じますが、本当にそうでしょうか?
実は、急いで贈与するのは待った方がいいかもしれません。

それは、現在1000万円までの住宅資金贈与の特例が、3000万円に拡充されるなどの特例が考えられるためです。

税制上の優遇措置・特例措置の新設・延長・再延長などは日常茶飯事ですので、(小渕さん(父)の恒久減税が、恒久的になり、いつの間にか廃止される国ですから)ベストなタイミングを確約することは不可能ですが、将来を見据えた判断が必要です。

ただし、年間110万円の非課税贈与枠は、ずっと続いていますので、この110万円の基礎控除枠を利用した贈与をするには、すぐに行動に移すことをオススメします。

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