無事に相続放棄が認められ、相続放棄申述受理証明書も取得しました。
そうすれば、「もう相続の争い・トラブルとは一切無関係」と、言えるのでしょうか?
原則としては、相続放棄申述受理証明書を提示すれば、相続と無関係であることや、支払いを拒絶することが出来るでしょう。
ただし、その相続放棄の申し立ての前提となった事実に誤りがあれば、その効果が覆されることもあり得ます。
虚偽の申し立てには効力はありません!
もし、相続放棄の申し立てが、虚偽の申告などに基づくものである場合には、相続放棄が認められたからといっても、相続のトラブルが起こる可能性はあります。
たとえば、被相続人の相続財産を消費するなど、本来相続放棄が認められない理由(単純承認事由)があるにもかかわらず、故意にそれらの事実を隠して申し立てられた相続放棄が認められたケース。
債権者の調査によって、それら単純承認の事実、行為が明らかになれば、債権者はその相続財産の返還を求めることになるでしょう。
その裁判で、「相続放棄が認められている」と主張しても、相続放棄の審理の前提となる事実に誤りや虚偽がある以上、相続放棄の効力を盾に債権者の請求を拒むことは困難です。
仮に故意でなかったとしても、相続放棄の申し立てに勘違いや事実誤認が含まれる場合には、結論は同様です。相続を知った日(起算日)の虚偽申告も同様です。
つまり、何かやましいことを隠して相続放棄が認められたとしても、「相続放棄の効力は絶対的」「今後一切のトラブルを回避できる」訳ではありません。
熟慮期間経過後の相続放棄が認められる独自のノウハウ?
相続放棄のネット広告で、こんな言葉を見かけませんか?
相続放棄が受理されることだけが目的であれば、都合の悪い事実を隠し、虚偽の内容で申述すれば、相続放棄は受理されるでしょう。
ただし、いつか、誰かに訴えられて、相続放棄の効果がなくなってしまうかも知れません!
そんな相続放棄申述受理証明書に何の意味があるのでしょう。
相続放棄できちんと問題を解決するには、これが最善の方法です。