相続放棄で、被相続人が滞納していた税金の支払い義務を免れることができるでしょうか?
相続放棄は、税金に対しても有効です。相続放棄の効果は、絶対効であり、非常に強力です。
同じように借金などの支払い義務を免れるものとして、破産制度がありますが、破産では税金の支払い義務を免れることは出来ません。
自己破産と相続放棄で勘違いされやすいケース
自己破産・保証人・相続がからむ勘違いされやすいケースをご紹介します。
子供が住宅ローンを組む際に、親が保証人なることがあります。
このようなケースで、もし、子供が自己破産を申し立てると、子供は住宅ローンの支払い義務から逃れることができますが、親は住宅ローンの保証人として、保証債務を支払わなくてはいけません。
親が保証債務を返済できればいいのですが、保証債務を返済する前に保証人であった親が亡くなってしまえば、保証債務(もともとは住宅ローン)が相続されます。
住宅ローンの支払い義務が、自己破産によって子供から親へ移り、相続によって親から子供へ戻ってきたようなケースです。
子供は住宅ローンについて、「既に自己破産しているから、支払い義務はない」と考えられますが、そうではありません。
立場の違い
- 子供が自己破産によって返済を免れたのは、住宅ローンの債務者の立場。
- 親から子供に相続されるのは、住宅ローンの保証人の立場。
その法律上の性質・立場が違います。
したがって、このようなケースでは、あらためて相続放棄が必要になります。