過払金を取り戻す!
なぜ、払いすぎたお金が戻ってくるの?
消費者金融やクレジットカードのキャッシングなど、法律の規定を超えた利率での取引が長い期間に及ぶ場合、本当は支払わなくてもいいはずのお金まで、返済してしまっていることがあります。
現在では、消費者金融・クレジットカードのキャッシング取引は、年利15%~18%程度の利息になっていますが、平成18年、最高裁判所が利息制限法を超える利息の契約を実質無効と判断するまで、多くの貸金業者は利息制限法を超過する年利29.2%に近い、異常に高い利率での契約を主流としていました。
そのため、現在の利率が18%を下回る場合でも、取引開始の時の利息が18%を超えている場合には、利息を払いすぎている可能性があります。
払い過ぎた利息の正体
貸金業者との契約上の利率による計算と、法律上の利率による計算では、以下のような違い、差が出てきます。
例えば、年利29.2%の契約で、50万円を借りて、毎月1万5千円を返済する場合、同じ取引を、
貸金業者の計算
①500,000円×29.2%×30日÷365日=12,000円
12,000円が1ヶ月の利息。15,000円を返済し、元金が減るのは3,000円。よって翌月の計算は、
➁497,000円 ×29.2%×30日÷365日=11,928円
同様に15,000円を返済し、翌月へ
➂493,928円 ×29.2%×30日÷365日=11,854円
④490,782円 ×29.2%×30日÷365日=11,778円
⑤487,560円 ×29.2%×30日÷365日=11,701円
5か月後の残元金は 484,261円
法律上の計算
①500,000円×18%×30日÷365日=7,397円
7,397円が1ヶ月の利息。15,000円を返済し、元金が減るのは7,603円。よって翌月の計算は、
➁492,397円 ×18%×30日÷365日=7,284円
同様に15,000円を返済し、翌月へ
➂484,681円 ×18%×30日÷365日=7,170円
④476,851円 ×18%×30日÷365日=7,054円
⑤468,905円 ×18%×30日÷365日=6,937円
5か月後の残元金は 460,842円
このような計算は、一般的に「引き直し計算」と言われています。
引き直し計算をしてみると、たった5ヶ月分の計算で、この翌月の元金には、2万3419円もの誤差が生じます。
このような取引が、5年、10年と継続していくと、その差額はとても大きくなっていき、貸金業者が「50万円貸している」と請求されていても、本当は、借りたお金は返し終わって、返す必要のないお金まで返してしまっている状態、つまり、過払金が発生するのです。
取引途中で利率が下がっても
最高裁の判決以降、順次、利率を下げる手続が行われ、現在では、消費者金融・クレジットカードのキャッシング取引の利率は、利息制限法の範囲内、つまり年利15%~18%程度の利息になっています。
しかし、取引当初に高い利息での取引をしていた場合、取引の途中で利率を下げる手続がされていても、間違った計算結果であるその時点での元金が修正されることはありませんでした。
すなわち、取引の途中で利率を法律の範囲内に修正しても、元金の修正がなされていない以上、その後の計算もずっと間違ったままになっているのです。
取引途中で利率を下げてもらっても、過払いの可能性はあります。
ずいぶん昔の話だから過払金は・・・
ずいぶん昔に消費者金融を利用していたけど・・・
結論から言うと、最終取引日から10年経っていると、過払金を返してもらうことは困難です。
法律に「時効」という制度があることは、ご存知の方が多いでしょう。
簡単に説明すると、時効とは、時間・期間の経過によって、権利を認めたり、権利を消滅させたりする制度なのですが、過払金に関していうと、過払金を請求する権利が消滅してしまう制度で、10年の経過によって、その権利が消滅してしまうのです。
では、いつから10年なのか?
という点につき、最高裁は、「取引が終了した時点から」と判断しています。
では、いつ取引が終了したのか?
という点につき、「最終取引日」か「基本契約終了日」の2つの考え方があり、過払金の裁判での争点となっていますが、最終取引日と扱われるのが大勢です。
現在は取引していなくても、過払金が戻ってくる可能性はあります。
ずいぶん前に取引があったけど、とお考えの方には、早めに過払金を調査することをお勧めします。
過払い金返還の流れ
債務整理手続の依頼を受けた後、取引の内容の調査・引き直し計算を行い、結果、過払いであれば相手方へ過払金の返還を請求します。
任意整理はもちろん、自己破産、個人再生手続を利用する場合でも、過払いが発生している相手方に対しては、その返還請求を行います。
過払い請求に対して
一般的な方法である「何月何日までに、過払い金◎◎円の支払いを求める」旨の過払い金返還請求に対し、誠実・協力的な貸金業者はごく一部で、多くの貸金業者は素直に応じることはありません。
たとえば、5月1日に「5月15日までに返答ない場合には、訴訟提起する」
と請求しても、何の反応もないことも珍しくありません。
反応があったとしても、過払い金の計算方法の違い、相手方に有利な判決、貸金業者の単なる窮状などを理由に過払い金の減額を要求します。
「過払金」=「他人のお金を不当に所持している」などという感覚はまったくないのです。
具体的には、「請求額の8割でお願いします」「元本の6割でお願いします」「うちは3割しか払わん!」「減額しなければ和解するメリットがない!」「裁判でもなんでもしてくれ!」とこんな感じで返還請求を拒むのです。
そして、このような対応は日を追うごとに悪くなっています。
相手方の反応に対して
相手方の提示で納得できれば、裁判をすることなく和解することも1つの選択肢です。
ずいぶん以前は、相手方の対応も現在ほど不誠実でなく、請求額の100%近い額での任意和解(裁判をしないで)も珍しくありませんでした。
しかし現状は、任意(裁判をしない)段階で、相手方が提示する条件では、納得できないケースがほとんどです。
したがって、そのような場合には、ご依頼人に同意頂いた上で、裁判を通じた過払い請求を行っています。
当事務所では、裁判をすることによる追加報酬等は発生しません。
「着手金0円 成功報酬○○%」の場合でも、裁判をすることによって別途報酬が発生するケースもございますので、よくご検討下さい。
解決へ
任意での和解であれば、受任後早くて1~2ヶ月、遅いと6ヶ月程の時間を要します。和解までの時間ですので、入金日はさらに1ヶ月から3ヶ月、酷いところだと半年後や、分割での返還になります。
減額に応じる場合、取引内容に争点が含まれる場合など、さまざまな要素で解決に要する期間は、変わりますが、解決までに要する期間は、2ヶ月~1年程度とお考え下さい。
過払い請求の費用
訴訟の場合、印紙・切手等の実費は別途必要。減額報酬は不要です。