こんばんは、神戸の司法書士の塚本です。

今回のご依頼は、「お父様が亡くなったので相続登記をお願いします」って件。ありがとうございます。

ご持参頂いた書類、資料を拝見すると、ご自宅以外にも、田舎の山林や農地などを所有されていた様子。さらに古~い権利証の束の中から出てきたのが、仮登記の権利証。

古い仮登記のついた不動産

登記事項証明書などを調べてみたところ、50年以上前の日付で、売買予約を原因とする所有権移転請求権が仮登記されていました。要するに「将来、買うからつもりだから押さえておこう」って趣旨の登記なのですが、50年たった今もそのまま、予約のまんまです。

相続人(ご依頼者)さんに確認してみるも、

  • そんな土地知らない
  • そんな土地要らない
  • もちろん、そんな仮登記も要らない

ってことですので、ついでに、いらない仮登記も抹消しておきましょう。

仮登記は単独で抹消することができます

不動産登記の原則としては、権利者と義務者が共同で登記を申請する必要があるのですが、仮登記については、条件を満たすと、単独で抹消が可能です。

今回のケースで共同申請をしようとすると、50年以上前に売買予約契約をした土地の所有者さんにも相続が発生している可能性が高く、その相続人を探し出して協力を求めてってなると、ものすごい労力が必要になります。

ところが、単独で抹消する方法ならご依頼者さん側の書類を準備するだけで、仮登記の抹消が可能になるので、今回は単独抹消の方法を採用します。

方法としては次のとおり。

一旦、仮登記を相続

一旦、仮登記を相続登記します。

遺産分割協議で代表になる方が相続する方法がスムーズですが、法定相続登記で相続人全員が相続しても問題ありません。

登記の内容はこんな感じです。

登記申請書

登記の目的 「◎番所有権移転請求権仮登記の移転」

原因 「令和○年○月○日相続」

以下、省略

相続した仮登記(予約完結権)を放棄

一旦、相続した所有権請求権を、土地の所有名義人に対して放棄します。

土地の所有者さんに対して「所有権移転請求権」を放棄する旨の意思表示を行ったうえで、こんな書類を法務局へ提出。

放棄証書

甲野 太郎 殿

下記不動産に関する昭和48年◎月◎日付の売買予約に基づく所有権移転請求権(▽▽法務局 ▲▲出張所 昭和48年◎月◎日受付第12345号 仮登記済)を、令和5年9月1日放棄致します。

不動産の表示 省略

こんな内容の書類に、実印で押印し、印鑑証明書を添付して仮登記の抹消登記を申請すればオッケー。

無事、よくわからない仮登記の問題を解決することができました。

相手方(所有者さん?の相続人さん?)としても、処分に困る仮登記を片づけてもらってラッキーなんじゃないでしょうか?