「会社設立」で検索すると、さまざまな業者がHITします。
行政書士・税理士・○○○○センター、などなど。

意外に思われるかも知れませんが、法律上、会社を設立させる行為・すなわち登記申請を代理出来るのは、司法書士と公認会計士だけ。

「実質無料」などの謳い文句での会社設立の広告を見かけますが、司法書士・公認会計士以外の業者は、会社設立に関係する業務を行っているに過ぎません。

誇大広告を行う業者のなかには、登記申請行為や、登記申請書の作成まで自社で行う旨、記載している業者もおり、明らか・明白な違法行為です。また、登記については提携の司法書士が行うと記載されている場合も、実際に担当する司法書士が明らかになっているケースはほとんどありません。

これら業者は、いわば無免許運転のタクシー。実際にどれほど運転が上手であっても、無免許であることには変わりはなく、本来、業務として行い得ません。

また、司法書士が行うべき会社設立行為には、「犯罪収益移転防止法」により、厳格な本人確認義務が課せられており、マネーロンダリングに利用されるような実体の無い会社を作る行為を防止する義務が課されています。しかし、上記のような業者の中には、同法が定める本人確認義務を知らないかのような対応です。

ところで、実際に起業を検討されている方・依頼者からすれば、「会社設立」という目的を達成できればいいので、士業の業務範囲などには興味ないと思います。

しかし、もし「会社設立」の過程で何かトラブルが起こったら・・・無免許運転のタクシーはどのように責任を負ってくれるのでしょうか?
取引相手が充分な確認のないままに設立されたペーパー会社だったらどうでしょうか?

司法書士は、そのような事態を未然に防ぎ、国民生活・社会経済の安定に寄与すべく、高度な社会的責任を背負い、会社設立等の業務を行っています。

これから会社を設立し、社会貢献を目指す起業家の方々には、ぜひご理解頂きたいと考えます。