同時廃止事件。債権者数により加算の場合があります。別途法定の費用が必要です。管財事件の場合は事件の内容により追加料金が発生します。
自己破産で借金問題を解決!
「自己破産」と聞くと、いい印象はないと思います。
実際に債務整理の面談の際に説明させて頂いても、
- 「他に方法はありませんか?」
- 「出来ればしたくないんです」
などの反応が多いように感じます。
しかし、実際のところ、自己破産が認められれば、借金の返済義務がなくなるため、債務整理手続の中では一番の効果があります。
自己破産を避けるため、無理な任意整理や、個人再生手続を選択する気持ちもわからなくはないのですが、自己破産の要件を充たす場合には、デメリットばかりにとらわれず、強力なメリットについてもよく考えてください。
自己破産の誤解
自己破産については多くの誤解があるようです。
その誤解が原因で、自己破産をためらっておられる方が多いので、その多くの誤解について解説したいと思います。
財産について
破産者の財産は換価され(お金に換えて)、債権者に分配されるのが原則です。
今もっている預金などは当然、今は手元になくても、生命保険の解約返戻金や退職金見込額なども、隠れた財産と言えるので、一定の金額を超える場合には債権者に分配しなくてはいけません。
しかし、全ての財産がなくなる(換価の対象になる)わけではありません。
生活費程度の現預金及び一般の家財道具(テレビ・冷蔵庫・パソコン・たんす・机など)は、ローン中でない限り取り上げられることはありません。
自己破産の制度は、破産者が明日からの生活に困窮するよう貶める制度ではありません。
身分について
自己破産すると○○になる。のような誤解が多いように感じます。以下は、自己破産のよくある誤解です。
- 選挙権はなくなりません。
- 家族には無関係(保証人は除く)
- 結婚等にも無関係
- 戸籍・住民票には何ら記載されません。
- 同時廃止事件では、郵便物の制限はありません。
身分証明書と言う特殊な公文書(市区町村役場発行)に記載されますが、一部の資格取得申請などにしか使われていません。
警備員・保険外交員・証券外務員・宅建主任者・風俗営業者などは業務の制限があります。免責決定が確定すれば、それぞれの欠格期間後解除されます。
旅行・入院など長期間居住場所を離れるには許可が必要となりますが、日常生活には支障ないでしょう。
家族・友人・会社にバレル
破産すると、「官報」という政府が発行する新聞のようなものに掲載されます。
一般人が見ることはほとんどなく、家族・友人・会社などにバレることはほぼありません。
また、勤務先を辞める必要はありません。勤務先に破産が知れる事は通常ありません。
しかし勤務先や従業員共済などから借入れがある場合は勤務先が債権者となるため、裁判所から会社へ通知がされます。したがって、会社に破産の事情が知れます。
しかし、破産を理由に解雇する事はできません。ただ居辛くなるのも現実のようです。
ブラックリストに載る
載ります。
ただ、債務整理手続全般に言えることですし、過度の滞納がある場合にもブラックリストに登録されます。
あくまで、民間の情報なので、戸籍・住民票は無関係です。
住宅を追い出される
家賃を支払い続ける以上、賃貸家屋を明け渡す必要はありません。
破産したことで大家さんから追い出されることはありませんが、家賃の延滞があった場合は、債務不履行で解除される事があります。破産申立てが原因ではありません。
持ち家の場合には、明け渡す必要があります。申立後、すぐに出て行かなくてはいけないというわけではありません。
自己破産しても借金がなくならない
免責許可決定によっても免責されない(支払う必要がある)債権があります。
それを非免責債権といいます。
非免責債権の例
- 税金・健康保険料など(公租公課といいます)
- 破産状態にあるのに、カードなどで商品を購入した代金
- 養育費 破産者が自営業者などの場合の使用人の給与債権など
- 破産申立てにあたり提出する債権者一覧に故意に記載しなかった債権者の債権
- 罰金など
免責不許可事由
次のような事情があれば免責不許可になることがあります。その場合は借金はなくなりません。
- 財産があるのに財産目録に記載しなかった場合
- 親族などに無償で贈与し財産隠しをしていた場合
- 破産申立て直前にカードなどで商品を購入し、質入などで現金化していた場合
- 特定の債権者にだけ弁済していた場合
- ギャンブル・投資・マルチなどの斜幸行為
- 破産状態にない旨のうそをついて財産を取得していた場合
- 財産関係の書類・帳簿を隠したり、改ざんした場合
- 虚偽の債権者一覧表を提出していた場合
- 裁判所の破産手続きに虚偽の証言などをした場合
財産隠しや詐欺的な借入れをしてしまうと免責許可が出なくなります。
返済のための新たな借入れが、免責不許可事由になってしまう恐れがあるので、早めに相談すべきです。
特に、クレジットカードのキャッシング枠がいっぱいになり、追加の借入が出来ず、ショッピング機能を使って買物(新幹線のチケット・貴金属等)を購入し、チケットショップなどに売却することは、免責不許可事由に該当するだけではなく、詐欺になってしまいます。
裁量免責
ただし、免責不許可事由に該当しても、借金するに至った背景や反省の意を考慮して、裁判官の判断で免責が許可されることがあります。その制度を「裁量免責」と言い、実際に、当事務所にご相談に来られた方でも、多額のギャンブル・浪費など、免責不許可事由に該当しながらも、裁量免責によって、免責が許可された方も数多くいらっしゃいます。
免責不許可事由に該当するからといって、自己破産をあきらめず、まずは早めに専門家にご相談ください。
自己破産と保証人
自己破産・免責許可決定を受けても、保証人への効果はありません。
したがって、保証人は債権者から保証債務について、請求を受けることになります。
保証人へ迷惑をかけてしまうことにより破産をためらう人が多いのも事実です。
しかし、なんら手続をしないで状況・事態が好転するでしょうか。
場合によっては、保証人の方も債務整理手続が必要となりますが、早めの決断が保証人への影響を最小限にすることにつながることが多くあります。
自己破産手続、スケジュール
受任後、ご依頼者様には預金通帳、給与明細書、源泉徴収票、家計簿、車検証などなど多くの書類を提出していただくことになります。
それらの書類をもとに、裁判所へ提出する書類を作成し、申し立てを行います。
原則として本人は、債務者審尋と免責許可決定のための審尋の2回裁判所に出頭する必要があると規定されていますが、出頭が不要な場合も多くあります。
当事務所の過去の実績では、浪費の程度がひどい方など約1割ぐらいの方が債務者審尋・免責審尋に出頭しています。
受任から申立てまでに3~6ヶ月、申立てからから免責許可決定確定まで概ね3ヶ月程度かかります。
司法書士には破産手続きの代理権がないため、書類作成者として手続を総合的にサポートしていきます。
同時廃止事件。債権者数により加算の場合があります。別途法定の費用が必要です。管財事件の場合は事件の内容により追加料金が発生します。