遺言が無いための「争続」や、残された内縁の奥さんの悔しい思いなど・・・
相続に携わる専門家であれば、そんな経験は決して少なくありません。
ご自身のために、大切な方々のために、ご自身の思いや財産の使い方など、遺言できちんと伝えましょう。
遺言で出来ること
遺言で出来ることは数多く有ります。中でも代表的なものは、相続財産の処分方法について。
誰にどれだけの財産を引き継がせるのかを指定出来ます。
ご自身が亡くなった後、遺言の内容を実現してもらう人を指定出来ます。
生前には実現しづらい、面と向かって言いにくいことも、遺言であれば正直に伝えることが出来ます。その他にも、認知・相続人の廃除などを行うことによって、相続分の変更が出来ます。
このように、遺言で相続財産の処分内容を決めておくことで、残された相続人の間でのトラブルなどを未然に防ぐことにつながります。
遺言を残すなら公正証書遺言で
遺言にも特殊な遺言を含めると数種類ありますが、一般的には、自筆証書遺言と公正証書遺言が利用されています。
自筆証書遺言のメリット
一般の書店にも書き方のマニュアル本が多数ありますし、いつでも、紙とボールペンとハンコあれば作れてしまいます。
鉛筆じゃダメ?ハンコは実印?などの疑問に対する質問も、マニュアル本に書いていますので大丈夫です。
内容についても、一般的なことは書かれていますので、気軽に遺言を作れると思います。
自筆証書遺言のデメリット
- 遺言の存在が見つからなければ誰も読んでくれない。
- 都合の悪い相続人に見つかると破棄・変造・改竄される。
自筆証書遺言には、このような不安要素があります。
ご存命中は発見されにくく、亡くなった際には見つかりやすい、そんな矛盾する適当な保管場所に心当たりはあるでしょうか?
書き換えたり・偽造したり・隠してしまうなどの行為に対しては、法律上、相続人になれなくなる(相続欠格)ペナルティが設けられていますが、遺言の内容に不満がある相続人が、そのようなことを引き起こす可能性があるからこそ、ペナルティが規定されているのです。
せっかくの遺言が新たなトラブルを引き起こすことも十分考えられます。
また自筆証書遺言は家庭裁判所での検認手続が必要で、遺言の実現までに多少の費用と何より時間が必要です。
公正証書遺言のデメリット
相続財産の価額にもよりますが、総額10万円ぐらいは必要です。証人2名が必要ですし、証人には内容を知られてしまいます。時間的制約(公証人のスケジュールなど)・地理的制約(公証役場にも足を運ばなければいけません。出張してもらう場合は別途費用)
それでも、私は公正証書遺言をオススメします。
公正証書遺言のメリット
公正証書遺言のメリットは、とにかく安心できること。
せっかく遺言を残しても、内容があっているの?どこにしまっておくの?など、不安が解消されないのであれば、いったい何のための遺言かわかりません。
公正証書遺言は、法的なアドバイスを受けながら作成することができ、およそ120歳になるまでの保管され、その検索ができるので、内容・保管場所などを心配する必要がありません。
遺言をつくるなら遺言執行者を
自筆証書遺言・公正証書遺言、いずれの方法で遺言を残すにしても、遺言の内容の実現を見届けることは出来ません。
そこで、遺言の内容を実現させる人、遺言執行者を遺言で指定することが出来ます。
遺言執行者については、こちらのページで解説していますが、遺言の実現を、法的手続の専門家へ依頼することで、遺言の実現への安心が高まることは間違いありません。
絶対に遺言を残すべきケース
「残された方々のために遺言を残すべき」とおススメするケース以上に、絶対に遺言を残すべきケースがあります。
相続人がいらっしゃらない場合には、その方の相続財産は国庫へ。
国が有効に使ってくれればいいのですが、やはり自分の思うように使われた方がいいと思いませんか?
内縁の妻・尽くしてくれた嫁・かわいい孫などに残したい。
これらの方は、身近な方々ですが、原則として相続人ではありません。
これらの方々・慈善団体など、相続人ではない方へ財産を残したい場合にも遺言は必須です。
遺留分などの制約もありますが、遺言で相続分を変更することで実現出来ます。
これらのようなケースでは、絶対に遺言を残してください。
当事務所のサポートメニュー
- 遺言作成に関するご相談
- 遺言原案の作成
- 必要書類の収集
- 公証役場等との連絡・調整
- 公証役場への同行・証人業務
- 遺言謄本の保管
戸籍謄本等の取得費用・公証役場の手数料などの実費は別途必要です。