こんばんは、神戸の司法書士 塚本です。今日は不動産売買のお話し。
懇意にしている不動産業者さんのともだちの不動産業者さんから、突然のご連絡。
売主が認知症なんですけど、決済お願いできますか?
売却する方の意思能力の確認は司法書士のしごとです
売主が認知症=売れるわけないやん!って、いつもお願いしている司法書士にあしらわれたそうです。
売主が認知症であれば不動産を売れない!とは限りません。
認知症の程度、成年後見制度を利用しているのか?など総合的な判断が必要です。
売主さんが成年後見制度を利用している場合は、成年後見人や裁判所によって、売却の可否が判断されます。売却の必要性や、売却相手、価格の妥当性などの総合判断によります。勝手には売れません!
今回の売主さんは、認知症との診断があるけども、成年後見制度を利用するには至っていないとのこと。不動産売却の意思がきちんと確認できれば、不動産の売却は可能です。
が、昨今のコロナ禍のため、施設にいらっしゃる売主さんとの直接の面談は困難とのこと。テレビ電話などでは、なかなかきちんとした意思確認、判断は難しいと思われます。
また、事前に認知症と診断されているって聞いている以上、積極的な売却意思が明確に確認できない限り、オッケーとは言いづらいのが正直なところです。
医師ではないので微妙な判断までは致しかねます
他に何か方法はありませんか?
って言われてもなぁ・・・・
認知症って判断(診断)したのはお医者さん。どの程度の認知症か、どの程度の意思能力、判断能力があるのかも、お医者さんであれば、判断できますよね?
ってことで、認知症と診断した「かかりつけのお医者さん」に、不動産を売却するだけの判断能力があるのかどうか、診断書を書いてもらうようお願いしたところ・・・
意思の疎通は可能で、土地の売買の可否について判断能力を有することをここに証明する。
診断書から
との内容の診断書が出ました。もちろんこれでオッケー。決済しましょう!
といいながら、診断書を書いたクリニックさんへ、重ねて確認しちゃうのが司法書士のしごとです。
後日、無事取引完了となりました。関係者のみなさん、お疲れ様でした。