こんばんは。神戸の司法書士の塚本です。
今日は、初めてご依頼を頂いた社会保険労務士法人の設立登記について。完全に備忘録です。
株式会社や合同会社、一般社団法人、医療法人、事業協同組合などなど、会社、法人の種類は数多くあります。今回ご依頼頂いたのは「社会保険労務士法人」の設立。はじめてです。
本棚を探してみたところ、かなり古く分厚い専門書(平成19年初版発行)が出てきました。読んでみると何となくイメージはできましたが、果たして15年の時を経て、落とし穴(法改正)がないか確認が必要です。
定款の作成と認証
社会保険労務士法人も当然、その他の法人と同様に定款が必要で、さらに、公証人の定款認証も必要です。
今回はご依頼頂いた社労士さんが、社労士連合会的なところで仕入れた設立マニュアルを参考に(ほぼそのままの)定款を作成されており、その定款を使用することに。
定款は、紙の定款でも、電子定款でもどちらでもOK。
株式会社などでは、紙の定款の場合、収入印紙(4万円)を貼付する必要があるのですが、社会保険労務士法人の場合は、紙定款でも貼付不要とのことで、電子定款による印紙代節約のメリットはありません。が、司法書士的にはその後の手続がやりやすいので、電子定款&電子認証の方法を採用。
ちなみに、出資(資本)の額に関わらす、公証人の認証手数料は5万円。あとは謄本代(1000円ちょい)が必要です。
ちなみに、株式会社や一般社団法人の設立の際に必要になる「実質的支配者」の申告は不要ですが、公証役場としては、社会保険労務士法人の社員(設立メンバー)となる社労士さんの「資格証明書」は必要とのことです。
- 定款は「設立の手引き」を参考に。
- 収入印紙は不要(紙の定款でも)です。
- 電子認証も当然可能です。
- 認証には、社員の資格証明書と印鑑証明書が必要です。
設立登記
社会保険労務士法人も、登記申請日が設立日になります。
通常の登記事項は、以下の通りです。
- 名称
- 主たる事務所
- 事業目的
- 社員の住所、氏名
- 代表社員の住所、氏名
なお、定款では、会社でいうところの資本金のような「出資」についての記載がありますが、登記事項ではありません。ので、見栄を張って出資の金額を増やす必要はないでしょう。
設立の登記は、オンライン申請ももちろん可能で、電子認証された電子定款のフォルダを添付すると、添付書類はあまりありません。
- 定款(電子定款を添付でOK)
- 社員の資格を証する書面(社労士会から発行される書類です)
- 主たる事務所所在地の決定書(定款で主たる事務所所在地を具体的に定めれば不要)
- 代表社員の選任書面(定款で決めていない場合)
- 代表社員の就任承諾書
- 委任状(司法書士に委任する場合)
その他、印鑑届書と代表社員の印鑑証明書(市区町村発行のもの)を添付します。
- オンライン申請で、もちろんOK。
- 定款の内容により添付書類が変わります。定款で多くを定めると書類は減りますが、後々の定款変更は、総社員の同意が必要になるので、要検討です。
社員、代表社員の就任意思の確認は、合同会社などと同じであまり重要視されていないようです。株式会社では、基本、平の取締役でも、本人確認書類、印鑑証明書が必要になるのとは違いますね。
備忘録が役立ちますように
司法書士の視点で記したうす~い社会保険労務士法人の設立についての備忘録でした。
将来、役に立ちますように! 忘れないうちに、ご依頼お待ちしております。