こんばんは!今日はプレミアムフライデーですが、残業中の神戸の司法書士の塚本です。今日は役員変更登記の添付書類について。

相談者さん

新しく就任する役員の本人確認書類って住民票の原本いるん?コピーでええの?

今日頂いた質問に「どっちだったっけ?」となったので、調べてみました。

以前にも同様の記事を書いていたようです。

少し前にこの質問に関する「役員変更の添付書類が変わります。」って記事を書いたような気がするなぁと調べてみると、もう9年も前のことでした。歳をとると月日の経つのは早いものです。

9年前のこの法改正では、会社の役員さんが就任する時は、その実在を証明(疎明)するために、住所・氏名が記載された書類の提出が求められるようになったのです。(それ以前はガバガバでした)

私の書いた以前の記事が間違っていた訳ではないのですが、グーグルなどで検索すると出てくる法務省やその他の情報が誤解を招く表現が多いので、今回その理屈をご紹介します。

本人確認証明書の法務局の説明は・・・

《取締役等の「本人確認証明書」の例》
住民票記載事項証明書(住民票の写し)
個人番号が記載されていないものを使用してください。
戸籍の附票
住基カード(住所が記載されているもの)のコピー
運転免許証等のコピー
(※ 裏面もコピーし、本人が「原本と相違がない。」と記載して、記名する必要があります。)
マイナンバーカードの表面のコピー※※
(※※ 表面(氏名、住所、生年月日及び性別が記載されている面)のみをコピーし、本人が「原本と相違がない。」と記載して,記名する必要があります。)

法務局のホームページより

上記の法務局のホームページの書き方だと、運転免許証やマイナンバーカードなど、そもそも原本なんか提出できないものはコピーの提出で良くて、住民票や戸籍の附票は原本の提出が求められているように読めませんか?

コピーでオッケー

条文では、区別はないはず!

ところが、この部分に関する商業登記規則の条文は、以下の通りです。

設立の登記又は取締役、監査役若しくは執行役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書には、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、監査役又は執行役(以下この項において「取締役等」という。)が就任を承諾したことを証する書面に記載した氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市区町村長その他の公務員が職務上作成した証明書当該取締役等が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)を添付しなければならない。ただし、登記の申請書に第二項(第三項において読み替えて適用される場合を含む。)又は前項の規定により当該取締役等の印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付する場合は、この限りでない。

商業登記規則第61条第7項

読みにくいので要約すると、役員変更登記には、印鑑証明書を提出する必要がある場合を除いて、役員の本人確認書類として、市区町村長その他の公務員が職務上作成した証明書本人が原本証明したコピーも可)を添付しなければならないとされているのです。

市区町村長その他の公務員が職務上作成した証明書とは、上に記載した法務省のホームページに書いてある

  • 住民票の写し(マイナンバーの記載のないもの)
  • 戸籍の附票
  • 住基カード
  • 運転免許証等
  • マイナンバーカード

などなどなのですから、当然、住民票でも戸籍の附票でも、コピーの添付でオッケーとなる訳です。