こんばんわ。神戸の司法書士の塚本です。

ご依頼頂いていた遺言執行の補助業務、預金の解約や払い出し、遺贈の登記も完了し、あとは最後の仕上げ的な業務だけ。

実はこの業務の元になった遺言の内容は、相続人以外の方への100%の包括遺贈。相続人の相続分は「0%」、つまり、な~んにも相続出来ません。

まあ、このような内容の遺言でも、きちんと遺言執行者を決めておけば、何ももらえない相続人の協力・関与なしに手続を進め、遺言の内容を実現することができます。(一応、相続人への通知義務等はありますがね)

で、名義変更や登記が終わって、ここで業務終了!ってやっちゃうと、タイミング的に、ちとマズイことが起こりかねないんです。

遺言の存在なんて役所には分かりませんから!

実はこの事案、昨年秋に、遺言者が亡くなり、当職が依頼を受けたのが今年の2月。遺贈の登記が終わったのは2月の終わり。

春になれば、固定資産税の納税通知書が、今年の1月1日時点の所有者へ送付されます。今年の1月1日時点の所有者は、去年の秋に亡くなっているので、その相続人へ固定資産税が請求されるのです。

相続人とは形式だけの、不動産も何も、一銭ももらえないのに、「あんた、相続人だから固定資産税払え!」って通知が来たら、キレませんか?

受遺者の方も、ご自身で負担したいとの意向ですし、せっかくの仕事にケチがつくのが嫌なので、市役所の固定資産税課へ納税通知書の送付先について相談したところ・・・

お役所

4月に1月1日時点の所有者へ納税通知書を発送します。所有者が亡くなっている場合はその相続人へ発送します。

模範解答を頂きました。そんなもん知っとるわい!!!

イレギュラーな対応が面倒なのはよーくわかりますが、わざわざ、人の平穏な生活を乱す必要ないでしょ?

塚本司法書士

あ・の・ね!受遺者(不動産を受け取った人)が固定資産税、払うって言ってるんだから、受遺者に請求書送ったらええやん。わざわざ、揉めてもないのに揉めごと作らんでもええやん!なんやったら今から現金で払いに行こか?

というような趣旨の内容を、紳士的に伝え、丁重にお願いしたことろ

お役所

折り返し、連絡させて頂きます。

回答までには時間が掛かりましたが、結果、受遺者の住所地へ、納税通知書を発送して頂けることになりました。

一件落着。

「THE お役所仕事」による、新たなトラブルも未然に防げたし、スマートに解決できたんじゃないでしょうか。