不動産登記

自筆証書遺言。誰にあげるのか?

こんばんは!神戸の司法書士の塚本です。

今回は「遺言の内容通りに不動産の名義変更をお願いします!」っていうご依頼から。
なお、ご依頼者さんを「山田花子さん(仮名)」とします。

自筆証書遺言の要件のおさらい


遺言書
そもそもの遺言をする要件として、15歳以上であることや、意思能力があることが必要って言う部分は置いておいて、自筆の遺言を書く場合には、以下の形式的な要件を充たす必要があります。

  • 全文自書すること(財産目録はパソコンで作れるようになりました)
  • 作成日の記載があること
  • 署名があること
  • 押印があること

今回、山田花子さんが、相談時にお持ちいただいた遺言は、どの要件も満たしていましたので、形式的にはOKです。

一.山田花子に次の財産を相続させる

実際の遺言は、「一.山田花子に次の財産を相続させる。」とはじまり、その後に不動産が記載されています。

一見、問題ないようですが、「山田花子」さんて、同姓同名の方ってたくさんおられます。どこの山田花子さんに不動産を相続させたいのかが、登記を受け付ける法務局の方には、わからないんです。

また、「相続させる」って表現は、相続人に対するもの。相続人ではない第三者へあげる場合は「遺贈する」って記載するのが正解。

つまり、受遺者の特定が不十分。氏名だけではなく、続柄、住所、生年月日など、特定できる情報も加えて書いておくべきでした。

遺言者の意思を汲み取ろう!

まあ、今さらそんなこと言っても始まりませんので、何とか知恵を絞って、遺言者の意思を実現しましょう。それが法律の趣旨です。

ちなみに、山田花子さんと今回の遺言者はそんなに遠くはない親戚だったのですが、それだけでは認めてもらえません。

そこで、今回は遺言と合わせ、以下の資料を添付して、法務局へ照会しました。

  • 死体埋・火葬許可証(申請者が山田花子さん)
  • 死亡届(届出人が山田花子さん)
  • 遺言者の除籍謄本(【届出人】親族 山田花子)

遺言をのこされた方がお亡くなりになった際に、これだけの手続に関わっていたんです!っていう公的な書類をこれでもかって感じでつけてみたところ・・・

法務局の回答は「遺言者の意思は十分推認できる」とのこと。

その他にも、不動産の表示が地番ではなく、住居表示で記載されていたりと、小さな問題はありましたが、どれも補完資料を提出すれば、クリアできそうです。

と言う訳で、遺言の内容を実現できる目処がたったので、その登記の前提となる遺言の検認を家庭裁判所に申立て。

まあ実際の登記手続的には、遺言書の検認申し立てだけでは済みそうもないのですが、まずは、遺言の検認手続からスタート。その後の手続については後日、書きます!

まとめ

自筆で遺言を書く場合は、 誰に何をあげたいのかは、しっかり特定しましょう。

あげたい人は、氏名、住所、生年月日、続柄、本籍などで、あげたい不動産は、登記簿謄本にかいてある通りに書いて下さいね!

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