成年後見人の報酬

家庭裁判所で選任された成年後見人の報酬は、本人の収入や財産などを考慮し、家庭裁判所が決めます。

これは、成年後見人だけではなく、保佐人、補助人も同様です。

選任された成年後見人は、財産管理や身上監護などの事務を行います。就任直後は、預貯金等の財産の調査、名義変更、解約等、また、施設への入所や入院など、多くの成年後見事務が必要です。

そして、選任後1年経過する頃に、家庭裁判所へ1年間の成年後見事務の報告を行います。その報告と併せて、その間の報酬を付与して欲しい旨の申し立てを行います。

成年後見人の報酬決定の流れ

成年後見人の報酬決定の流れは、以下の通りです。

  1. 成年後見人が、1年間に行った後見事務について家庭裁判所に「報酬付与の申立て」を行う。
  2. 家庭裁判所が、成年後見人の業務内容等を審査の上、相当額を付与するよう決定を出す。
  3. 本人の財産から決定した報酬が支払われる。

つまり、あとばらいです。報酬付与の決定が出されると、管理している本人の口座などから出金して受領します。

後見・保佐・補助などの類型、本人の収入や財産、行った事務の内容などによりますので、一概には言えませんが、平均的な報酬は、1ヶ月あたり、2~4万円、年間だと24万円~48万円となります。

監督人の報酬

後見監督人(保佐監督人、補助監督人)が付された場合の報酬の支払いの仕組みも同様です。

事務を行った後に、報酬付与の申し立てを行い、報酬が決定され、支払われます。

事案によって異なるとは思いますが、監督人報酬の額は、後見人等の5割程度かと思います。

収入・財産が少ない場合は?

後見人の報酬は、家庭裁判所により決定されますが、本人の収入や財産が著しく少なく、報酬を支払う余裕がない場合があります。

そのような場合には、行政(市など)の助成制度などを利用し、成年後見人の報酬を確保することになります。

後見人の親族などに、後見人の報酬の負担が発生することはありません。安心してご利用ください。