こんばんは!神戸の司法書士の塚本です。

最近、何件かいただいたご相談から。

支払督促

身に覚えのない会社から訴えられた!

身に覚えのない会社から訴えられた!ってことですが、よくよく話を伺ってみると「オリンポス債権回収株式会社」から支払督促を申し立てられた事案です。

この「オリンポス債権回収株式会社」は、法務省から認可を受けたれっきとした債権回収を業とする会社。

言い換えると「取り立て屋」さん。消費者金融やクレジットカード会社から、不良債権(焦げ付いた債権)の回収を受託しています。

最近のご相談のケースでは、

  • アプラスさんからエムズホールディングスへ譲渡された債権
  • アプラスさんから合同会社OCCへ譲渡された債権
  • 消費者金融のアイクさん(CFJ)から譲渡された債権

についての支払督促の申し立て。

つまり、もともと利用していたのはアプラスさんやアイクさんなので、オリンポスって名前に身に覚えがなくても、いわゆる架空請求ではありません。

裁判所からの書類が届いたら、身に覚えがないからといって放置してしまうとキケンです!!

支払督促を放置すると

支払督促とは、裁判所が、お金を貸した側だけの言い分を聞いて、その言い分が一応、もっともらしいなぁと判断すると、借りた金は返せ!って命令を出す簡易な裁判手続。

たんなる「督促状」とは違います!

裁判所が出した支払督促を受け取ってから、2週間以内にきちんと異議を出さないと、相手方の言い分を認めたことになってしまいます。

つまり、放っておくと裁判に負けたことになり、最悪、給与や預金を差し押さえられてしまいます

架空請求ではありません。が・・・

ところで、法務省の認可を受けた債権回収会社が、裁判所を利用した手続上で請求してくるからといって、必ずしも相手方の言い分が正しいとはかぎりません

裁判になっている事案の中には、と~っくの昔に時効期間を経過した債権を請求している場合もあります。

そのような請求は、債権回収会社だけではなく、消費者金融などから依頼を受けた弁護士事務所でも同様。

時効期間を経過している債権でも(何食わぬ顔で)請求してきます。

貸した側の言い分は、

  • 「消滅時効を援用されるまでは、れっきとした正当な権利!」
  • 「何か文句ある?」

ってこと。

こちら側の言い分も、きちんと主張しなければいけません!

督促異議・内容証明郵便!

  • ずいぶん長い間返済していない!
  • 裁判された記憶もない!

なんて場合は、消滅時効が完成しているかも知れません!

そんなときは、裁判所から送られてきた支払督促に同封されている「督促異議申立書」に氏名などの必要事項と、消滅時効を援用する!って書いて、急いで提出!

消滅時効が完成している場合、時効を理由に督促異議申立書を提出したら、相手方は支払督促を取り下げます。時効であれば、負ける裁判を続ける意味がありませんから!

支払督促が取下げられると、支払督促手続は無かったことのように終了です。そして、督促異議書に書いた消滅時効の主張もなかったことになってしまいます。

そんなときは、相手方に対して、きちんと内容証明郵便で消滅時効を援用しておくことが大切!!こうしておけば蒸し返されることはありませんので、安心です!!

時効じゃない場合も

今回ご相談頂いた事案、支払督促の内容から、消滅時効の完成には十分な期間が経過しており、ご本人さんも裁判された記憶が無いってお話しだったので、時効援用&督促異議を出したところ・・・

時効完成前に、裁判を起こされて、分割での和解(裁判上)が成立していた事案でした。

ご相談者さんは、すっかり忘れておられたようで、今後、返済について交渉を開始します。

このように、司法書士は、時効援用の意思表示(内容証明)だけではなく、督促異議申立書の作成、提出、時効でない場合には、その後の返済和解の交渉まで対応可能!!

支払督促が届いたけど、どうしよう?って方は、お気軽にご相談ください。