こんばんは。神戸市の司法書士の塚本です。例年どおり、今年も法務局による休眠会社の整理作業(みなし解散)が行われています。

みなし解散

詳しいことは、法務省のホームページで案内されています。簡単にいうと、本来であれば申請されるはずの登記がされていないので、

  1. 会社の登記をずっとさぼってますね?
  2. 今後どうしますの?
  3. 2カ月以内に届け出てね!
  4. 期限までに届出がなかったら解散ね!

という作業が行われているんです。活動実態のない会社が山ほどあるそうで、犯罪の温床になりえるので、その片づけ、整理整頓作業。(乗れそうもないサビだらけの自転車が多数放置されている自転車置き場を片づけるイメージです。)

法務局から通知が届いたら、会社を続ける場合はもちろん、会社をたたむつもりでも、放っておいてはいけません。

会社をつづける場合

会社を継続する場合は、直ぐに法務局から送られた書類にその旨を記載の上、届出をしましょう。

休眠会社届出書
法務局から送られる書面(サンプル)

なお、期限内にこの届出をしたとしても、サボっている登記はサボっているままの状況。速やかに役員変更登記などサボっている登記を申請してください。もちろん、当事務所でも対応可能です。

最大100万円の過料

必要な登記をサボってしまったこと(登記懈怠)は、会社法の違反として、最大100万円の過料(罰金)に処せられます。まあ、私の知る限り登記懈怠の過料は10万円以下のケースが多いです。(登記懈怠3年で3万円など)

なお、過料の通知は、裁判所から代表取締役個人宛に課され、会社の経費にはなりません。

会社を解散する場合

実際に会社の活動を停止して、税務署には休眠届を出しているし、法務局が解散登記してくれるなら、ちょうど良かった。なんてことにはなりません。

先にも書いた通り、会社の登記をサボったままであることに変わりありません。したがって、過料の対象であり続けますし、そのサボり(懈怠)期間は増える一方で、高額な過料に処される可能性もあります。

きちんと清算結了登記まで行いましょう。

きちんと清算結了登記

すでに事業を停止しており、会社を解散させるか迷っていたけど、この機会にきちんと清算結了登記まで行おうという方。

このようなケースでは、上記の通知が届いても、法務局への届出をせず、みなし解散の登記がされるのを待って解散手続をはじめた方が、ちょっとお得。本来、解散登記に要るはずの登録免許税3万円が浮いちゃうんです。サボった方が得ってなんか変ですが、法務局が職権で、

令和4年12月13日会社法第472条第1項の規定により解散」って登記をしてくれます。

上のような解散の登記がされたら、清算人、代表清算人の就任の登記を行い、官報で公告。公告の期間の経過をまって清算事務、清算結了登記を行いましょう。

もちろん、当事務所で対応させて頂けます。お気軽にご相談ください。

清算結了登記に必要なもの

ちなみに、みなし解散登記をされた後に清算結了登記まで行う場合には、以下のものをご準備の上、お気軽にご連絡ください。。

  1. 定款
  2. 株主の情報(氏名・住所・持ち株数)がわかる資料
  3. 会社の印鑑
  4. 清算人(元の代表取締役)個人の印鑑証明書、ご実印