ブログ

代表取締役が取締役の代表じゃなくていいんですか?

会社の登記のお話しです。代表取締役のイメージ

株式会社の代表者は、代表取締役です。
「代表取締役」を素直に理解すれば、数人いる取締役の中で、会社を代表する取締役だと思います。

つまり、選挙で選ばれた国会議員の中の代表者が「内閣総理大臣」。そのようなイメージですが、

実はそうとはいえないんです。

代表取締役の選任方法

現状の会社法では、代表取締役の選任方法として

  1. 定款で決める
  2. 株主総会で決める
  3. 取締役の互選で決める

の方法があります。ちなみに登記簿には、どの方法で選ばれたのかは書いていません。

これが実務上どのような場面で問題になるかというと、代表取締役を辞めるケース、その中でも代表取締役は辞めるけど、取締役は辞めない、そんなケースで問題になります。

代表取締役の地位の一体化?

先に書いた「代表取締役=内閣総理大臣」のイメージは、上のリストで言えば3番です。
この場合、内閣総理大臣を辞任(辞職)すれば、平の国会議員の地位はそのままであるように、代表取締役をやめても平の取締役でいることには問題がありません。

この場合の登記手続は、以下のようになります。

  • 代表取締役の辞任届「やーめた」
  • 取締役の互選書「誰にする?」
  • 新代表取締役の就任承諾書「じゃあ私がやります」

ところが、1番・2番の方法で選ばれた代表取締役の扱いは、内閣総理大臣ではなく大統領なのです。

つまり、大統領(代表取締役)を辞めて、自動的に平の国会(上院?下院?)議員(取締役)になることは出来ません。
平の取締役になろうと思えば、もともと代表取締役に選ばれた根拠・元である、定款や株主総会で平の取締役になることを、あらためて認めてもらう必要があります。

この代表取締役の地位だけを辞められない状態を、「代表取締役の地位の一体化」なんていいます。

この場合の登記手続は、「代表取締役を定めた定款を変更」または「代表取締役の地位のみの辞任を承認する」、いずれにしても株主総会の決議が必要になります。

登記簿では、まったく同じ「代表取締役」なのに、扱いが違うなんて「登記=公示」の目的を果たしていないと感じますが。

「定款で定めた代表取締役」の定款って?

代表取締役を定款で定めた場合に、代表取締役だけを辞任するには定款変更が必要と説明しました。

小規模な会社を設立する際、定款の本則では、取締役の互選で代表取締役を決めると定め、設立時の代表取締役を定款(附則)で定めることがままあります。

会社設立時の定款を「原始定款」といいますが、「原始定款」で選ばれた代表取締役も代表取締役の地位のみの辞任は許されないのでしょうか?

つまり、代表取締役を定款で定めた場合・・・・の定款に「原始定款」は含むのか含まれないのか?

この問題について、はっきりとした先例を知りません!見つかりません!

が、本則で代表取締役は互選でと書かれた原始定款の附則で代表取締役を定めている場合には、「地位が一体化していない」のが本則・原則だから、代表取締役の地位のみの辞任は、定款変更なしで可能と考えて大丈夫なようです。

いまのところの地元の法務局の扱いですので、登記申請される際には自己責任でお願いします。

Return Top