「家族信託がしたいんですけど!」って相談を頂きました。

これから迎える大量終活需要のマーケットでは、確かに家族信託が流行っているようですね。(マーケットでは!)

まるで、ひと昔?ふた昔前の「郵政民営化」のような勢いです。家族信託を推し進める側からすると、以前からある「遺言」や「成年後見制度」はもう制度疲労を起こした「守旧派」「抵抗勢力」的な扱いに。

「家族信託」って、何か特別で、何か新しい制度を利用すると、バラ色の将来が待っているかのように錯覚されているような、錯覚させているような気がしますが・・・。

家族信託ってのは、ひとつの方法に過ぎませんので!

相続や遺言、成年後見などの終活的な業務を扱う司法書士として、家族信託(民事信託)は、避けては通れない分野ですので、一通りは勉強をしたんですが、非常~に難しいんです、この家族信託制度!

はっきり言って、これから終活しようとする高齢の方々や、受託者として財産を託されるご家族の方々が、この家族(民事)信託制度をしっかり理解できるのか?って思います。

つまり、民事信託でしか解決できない事案、ニーズも(一部)あるのかも知れませんが、民事信託を利用しなくても現行の制度で対応できる事案も多々あると思うんです。

そんなとき、よくわからんけど家族信託がしたい!ってお客さんに「遺言で解決できますよ!」とか、「成年後見制度である程度は対応できますよ」とか、きちんとしたアドバイスが提供され、それを依頼者がきちんと理解した上で選択出来ればいいのですが、

よくわからないまま、勧められるまま、家族信託を買っちゃた!ってなりそうで。

ちなみに、家族信託を扱う事業者(司法書士)にありがちな料金、報酬体系ってこんな感じなんですが・・

  1. 遺言作成報酬 10万円
  2. 成年後見申立報酬 10万円
  3. 家族信託コンサルティング料 150万円

類似のサービスで、こんなに(桁違い)報酬の違いがあるんですけど、

ほんとに事業者じゃなくて依頼者に必要なサービスが提供されるんですよね?

ほんとに大丈夫ですよね?

家族信託購入希望の方?の相談の結果は?

今回の、家族信託がしたい!ってご相談。

何が心配で、何をどうしたいのですか?と伺ったところ、「認知レベルが低下した際に、不動産や株などを売却して、介護施設の入所費用に充てたい」とのことでした。

相談者の方は、成年後見制度を利用すると、不動産が売れなくなるとの誤解があって家族信託を!との結論に至ったようですが、ご本人の生活のために、不動産を売る必要性が生じれば、成年後見人が不動産を売ることが可能な旨をお伝えし、「じゃあそれでええわ!」となりました。

家族信託がしたい!ではなく、

どんなことが心配なのか?これからどうしたいのか?など、ご希望をきちんと聞いてくれるところで相談することが重要ですね!