不動産登記

不動産の購入時の諸費用。騙されないための自己防衛術。

あこがれの、念願のマイホームを手に入れる瞬間。とても幸せな瞬間だろう。そんな時、人は高揚感に包まれ、なかなかシビアな判断がしづらい状況に陥ってしまう。

そんなことはない! 物件価格は値下げしてもらった! 賢い買い物だった!

確かにそんな冷静な方もおられるでしょう。しかし、そんな冷静な方でも、本体価格には注意がまわっても、その後の諸費用まではなかなか気が回らないのが実情ではないだろうか。

もし、本来必要なかった費用を何十万円も余分に支払わされていたら?

諸費用の明細書に並んだ、聞いたこともない・何のための支出か解らない・誰に支払うのかも解らないような様々な名目の費用の数々。あなたは、本当に理解出来ているだろうか?納得されているだろうか?

ここでは、不動産購入の際によく解らないまま支払ってしまいがちな、関西風にいうと「ボラれやすい」代表的な項目を3つご紹介。

「見積書のこの部分に疑問が残る」「きちんとした説明がない、出来ない」

そんな営業担当・不動産会社は、購入者、つまり、あなたのエージェントとしてふさわしいのか考え直して見る必要があるかも知れません。

なお、気が付かないまま、すでにマイホームを購入されてしまった方は、精神衛生上これ以上読まない方がいいかも知れません。

企画料 不動産を買うために何を企画してもらうのか?

【企画料 15万円】
購入記念のイベントでも開催してくれるのだろうか?まったく意味がわからないこの項目。

「いくらなんでもこんなアホなことないやろ!」と、つっこまれそうですが、これがれっきとした事実。それもテレビCMまで行っている会社で、しかも、会社ぐるみで行われていた不正ということで15日間の営業停止処分にまで発展しました。2009年の事件ですので、監督官庁である国土交通省近畿地方整備局のホームページからも情報は削除されています(5年間掲載)が、処分の理由の概略は以下のとおり。

同社は国が定める契約額の3%に6万円を加えた額とは別に、企画料名目で25万円を徴収したこととしている。同整備局は、企画料は実体が無い実質的な報酬手数料にあたり、しかも徴収は全社的に行われていたと判断し今回の業務停止命令を発した

不動産仲介業では、受け取れる手数料の上限が法律で定められているところ(簡易的な計算方法が、上の3%に6万円を加えた額(例外あり))、まあ単純に【企画料】名目で「のせた」んです。名目は何でもよかったのでしょう。

「正規の・法定の仲介手数料を超える報酬を得ようと企てる」ような不正が、現在も続いているとは考えたくありませんが、一人の人間でも体質改善は困難なもの。手を変え・品を変え・名目を変え、続いていないとは言い切れません。

ちなみに同じ不動産業界、賃貸仲介の世界では、「広告料」や「業務委託手数料」など様々な名目で、規程の仲介手数料を超える「オーナーバック」の支払いが行われていることは常識。こちらは事業者である大家さんが納得して払っておられるのでしょう。

ちなみに現在も、大手不動産仲介会社の業務に関する疑惑が報道されていますので興味のある方はこちらで確認を。

ローン◎◎手数料 金融機関に支払う訳ではありません

ローン斡旋手数料、ローン事務手数料など、ローン◎◎手数料は、前項の【企画料】のような架空の費用とは違い、不動産会社へ住宅ローンに関する事務を委託した際に支払う費用。

一見すると、不動産会社へ支払う費用なのか、金融機関に支払う費用なのか解りにくいところがミソ。(当然、住宅ローンを利用しない方へこのローン◎◎手数料を請求すると、【企画料】と同じ架空の費用請求です。)

このローン◎◎手数料、簡単にいえば、銀行へのお取次のための費用。

実際に不動産会社の方が動きます。その費用の相場は3万円~5万円程度が普通かな、というのが私の個人的感覚。中にはサービス(0円)で代行してもらえる会社も。

それが中には「ローン◎◎手数料50万円」なんてのがあるのが、この世界の恐ろしいところ。

多少の金利優遇などのメリットは考えられますが、ローンの金利が全期間1%下がるとか、信用力の問題で融資審査が通らない方でも絶対に審査に通すなど「ローン◎◎手数料50万円」に見合うメリットはあるのでしょうか?

「銀行へのお取次」をお願いするとして適正な金額かどうか、それが「ローン◎◎手数料」の判断基準です。

登記費用 購入者がないがしろにされている典型例

不動産を購入すれば、当然、名義変更、つまり登記手続が必要になる。

無論、不動産会社が登記手続を行う訳ではなく、司法書士へ外注される。その外注先はその不動産会社が「強く紹介・ほとんど指定」することが、まだまだ一般的。

無論、登記にかかる費用は不動産の購入者、つまりあなたが負担する。不動産の売買契約上、司法書士の選択について定められているケースはごく少数。もちろん通常は、あなたが選択できる。にもかかわらず、実際にはその不動産会社が「強く紹介・ほとんど指定」し、あなたの選択権を認めない。これは特に大手で顕著だ。

ある超大手の不動産仲介会社では、指定外の司法書士を使おうとした場合、担当営業に社内稟議等の膨大な手続が課せられるため、時間や手間などの負担から、購入者を説得する方が「楽」との結論になってしまうらしい。ある種パワハラに近いが、それほど不動産会社は指定外の司法書士の利用には消極的だ。

ともあれ不動産会社が、あなたにとってメリットのある司法書士を紹介してくれるなら、何の不満も生じない、むしろ親切だ。しかし、実際には不動産会社にとって都合のいい司法書士が紹介されている。もちろん、不動産会社に、メリット・利益があるからだ。

そのメリット・利益の元になるお金は、もちろん、購入者、そうあなたが負担するシステムだ。

不動産購入にまつわる諸費用のポイントのまとめ

どんな業界でも、同じようなケース・暗い部分はあるだろう。

ただ、きつねうどん一杯で1万5000円請求されたなら、誰でもおかしいと感じるだろうし、そのまま支払う方はいないだろう。うどん屋の大将に、納得できる説明を求めるはずだ。(割り箸が1万4500円と言われても納得できないが)

不動産の取引でも同じこと。不明瞭なもの・納得できないものには、きちんとした説明を求めればいい。きちんとした説明のできない会社から1万5000円どころか数千万円の買い物をすることは、下手したら一生の後悔になりかねない。

一般の方にはなじみの薄い不動産取引で、よくわからない・気が付きにくい部分、諸費用について注意を払って頂ければ、ここで紹介したような不正はいつか淘汰されるはず。近い将来、真面目に誠実に、顧客に対するリスペクトを持って仕事をしている、そんな不動産会社が活躍するはずだ。

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