3月末、年度末にかけて、たくさんのご依頼を頂戴頂き、誠に有難う御座いました。新しい出会いも多く、感謝、感謝です。

4月に入り、ようやく落ち着きましたので、お礼も含めご挨拶です。

司法書士としては、年度替わりで気になるのが税法の改正。
特例措置の延長や、廃止、変更など、業務に関する税法の改正がこの季節の風物詩です。

が、今年度(平成28年度)は、業務に直結する改正は無いようですので、ほっと一安心です。

なのですが、気になる改正があったようですので、ご紹介したいと思います。

居住用財産の譲渡所得の特別控除制度の特例の創設

相続又は遺贈による被相続人居住用家屋(当該相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋であって、昭和56 年5月31 日以前に建築されたこと、当該相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかったこと等の要件を満たすものいう。以下同じ。)及び被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした個人が、平成28 年4月1日から平成31 年12 月31 日までの間に、次に掲げる譲渡(当該相続の開始があった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31 日までの間にしたものに限るものとし、その譲渡の対価の額が1億円を超えるもの等を除く。)をした場合には、居住用財産を譲渡した場合に該当するものとみなして、居住用財産の譲渡をした場合の3,000 万円特別控除を適用できることとする。(租税特別措置法第35 条関係)

大雑把に噛み砕いて説明すると、「相続した不動産は3年以内に売った方が得ですよ!」との制度が創設されたようです。

通常、不動産を、取得価額<売却価格で売却した場合、その儲けに対して譲渡所得税が課税されます。
仕入れ値よりも高く売れば、儲けに課税。一般的な商品と同様に不動産でも同じ扱いなのです。

相続不動産の場合、その仕入れ値が安くなることが多く(昔に買ったものなので)、必然的に儲け部分が大きくなり、課税額も大きくなってしまいます。
したがって、相続不動産は売りにくい状況でしたが、この制度の創設によって、3000万円の特別控除が受けられるため、譲渡所得税が課税される範囲がかなり限定されると思われます。

つまり、相続した不動産は、早めに売った方が得! となるのです。

とは言え、期間も限定され(延長される可能性もありますが)、用途の限定もあり、全部が全部というわけではないのですが、相続不動産の処分を検討されている方にとっては朗報だと思います。

相続した不動産を早期に売却すること自体、白い眼で見られるケースもあるようですが、税制上のメリットが大きければ、説得・納得の材料になるんじゃないでしょうか?

当事務所では、相続不動産の売却業務も絶賛取り扱い中。お気軽にご相談ください。