日本国籍の方が日本国内で亡くなった場合には、日本の法律が適用されます。これは当然!

日本にお住まいの中国籍の方に相続が発生したら??

そのような場合も法律に規定があり、「相続ハ被相続人ノ本国法ニ依ル」ことになり、中国籍の方の場合は、中国法に基づいた相続手続が行われると定められています。

日本の法律では、「中国の法律で!」と定められていますが、その中国法では、

  1. 被相続人の死亡地の法律による。
  2. 不動産に関しては、不動産所在地の法律による。

と規定されているため、日本法と中国法がループ・お互いに押し付けあっているようですが、結論は・・・。

結論は日本法で

日本にお住まいの中国籍の方に相続が発生したら??

結論は、日本国籍の方の相続登記と同様の方法で進めることになります。

中国の法律を勉強しなくても大丈夫です。

その他の問題点は、

  1. 中国には戸籍制度がない
  2. 外国人登録原票記載事項証明書が市区町村で発行されない

ことの2点です。

戸籍の代わりに

1は駐日中国領事館で相続証明書の発行を受け、戸籍に代用できます。

この駐日中国領事館で発行される相続証明書は、日本でも近年発行されるようになった法定相続情報のような書類で、相続関係が一目瞭然になった便利な書面です。発行には1ヶ月程度の時間を要します。

住民票の代わりに

2の外国人登録原票記載事項証明書は、住所経緯の証明の為に必要になる書類です。

日本国籍の方の場合の住民票の除票や戸籍の附票の代用品です。

が、近くの役所では発行されず、東京の法務省への請求になり、取得に時間を要することと、その書面が1の相続証明書の発行申請に必要になるケースがあることです。

したがって、中国籍の方の相続の事実を証明するための書類の収集には、相当の時間が必要です。

売却予定がある方など、相続登記をお急ぎの際には、お早めにご相談をお願いいたします。

現在(令和3年)相続証明書が発行停止に

現在(令和3年)、 駐日中国領事館での相続証明書の発行が停止されています。再開の目処はたっておりません。 したがって、中国籍の方の相続登記については、取得可能な資料をもとに管轄法務局との相談、打ち合わせの上、進めるしか方法がありませんのでご了承下さい。