こんばんわ。神戸の司法書士の塚本です。

少し前に受任した相続放棄の事件のお話しです。

お父様が借金を遺して亡くなったとのことで、お子様5名の相続放棄の手続を受託しました。

相続放棄の申し立てには、亡くなったお父様の住民票(除票)や戸籍が必要。郵便などで集めてみたんですが、戸籍には、お子様は4名しかいないようですが???

老眼を凝らして、戸籍をよ~~く見てみると、亡くなったお父様がフィリピン国籍の方を養子にされていました。

つまり、お子様5名のうち、4名が日本国籍、1名がフィリピン国籍。ちなみにお父様は日本国籍です。

フィリピン人が日本の裁判所で相続放棄できるの?

法律では、

法の適用に関する通則法
第六節 相続
(相続)
第三十六条 相続は、被相続人の本国法による。

と規定されていますので、亡くなったお父様は日本国籍。つまり、今回の事件では日本法が適用されるはず!(フィリピン国籍は未経験)

フィリピン国籍のお子様の分も、日本の家庭裁判所へ相続放棄を申し立てます。

戸籍が無いんです

相続放棄の申し立てには、申し立てする方、つまり相続人の戸籍謄本を裁判所へ提出します。
が、外国籍の方には戸籍がありません。

無いものは無いので、住民票(被相続人とは別住所)と養子縁組した当時の戸籍謄本(原戸籍)を添付して申し立て。

結果は、、、、無事、受理されました。

カタカナ?ABC?

ちなみに、提出した住民票上の氏名は、アルファベットで記載され、原戸籍謄本には、氏名がカタカナで記載されています。

つまり、住民票は「Michael Tomioka」で、戸籍には「キュウセイ マイケルを養子とする縁組届出」なんて書いてあるんです。

完全には一致しないんですが、一応、両書類には、一致する生年月日も記載されていますので、同一人物として扱われるのでしょう。

相続放棄申述書

ちなみに、相続放棄の申述書はこんな感じで!

なお、あの「マイケル富岡」さんとは一切関係ありませんので、あしからず!