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医療法人 | 従たる事務所の設置 認可の要否

こんばんは!神戸の司法書士の塚本です。

最近、医療法人の従たる事務所設置について、ちょっと調べたところ、誤った?情報がネット上に散見されたので、きちんと書いておきたいと思います。

従たる事務所とは

医療法人の主たる事務所は、会社でいう「本店」。
とすると、従たる事務所とは、会社でいう「支店」のイメージ。
ですが、通常の会社では支店を登記するかどうかは、ある意味会社の自由。

なのですが、県の認可を受けて設立される医療法人では、会社とは異なり、主たる事務所とは別の場所に、事務を行う人が常駐するような場所、つまり、事務所を設けた場合には、その旨を定款に記載する必要があります。(医療法第44条第2項第4号)

「事務所の所在地」は定款に定めなければいけません!

また、分院(医療行為をする場所)は、従たる事務所とは別のもの(分院は事務所ではなく事業目的に記載します。)ですので、ご注意を。

新たに従たる事務所を設置する

今回のご依頼の事案では、主たる事務所が手狭になったため、別の場所に従たる事務所を新たに設置することになりました。

となると、定款は、
旧「本社団は、事務所を神戸市中央区◎◎町×丁目▲番〇号に置く」
から
新「本社団は、主たる事務所を神戸市中央区◎◎町×丁目▲番〇号に置き、従たる事務所を神戸市中央区△△通〇丁目×番◎号に置く
と変更しなければいけません。

つまり、従たる事務所を新設するには定款の変更が必要です。

医療法人の定款変更は原則として知事の認可が必要!

定款の変更が必要なのは分かりました。では定款を変更するには?

通常の株式会社は、株主総会で決議すれば、定款を変更することが可能です。が、医療法人では、社員総会で決議するだけではなく、知事の認可を受けなければ定款変更の効力が生じません。

医療法 第54条の9
社団たる医療法人が定款を変更するには、社員総会の決議によらなければならない。
2 (略)
3 定款又は寄附行為の変更(厚生労働省令で定める事項に係るものを除く。)は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(以降、略)

原則としては、知事の認可が必要だけど、この「厚生労働省令で定める事項に係るものは除く」ので、その事項の変更については、例外として、知事の認可はいりませんってことです。

で、その厚生労働省令で定める知事の認可がいらない事項っていうのは、医療法施行規則に書いてあります。

(法第五十四条の九第三項の厚生労働省令で定める事項)
第三十三条の二十六 法第五十四条の九第三項の厚生労働省令で定める事項は、法第四十四条第二項第四号及び第十二号に掲げる事項とする。

って、また、医療法の第44条に戻るのですが、そこには、第4号「事務所の所在地」、第12号「公告の方法」と規定されています。

法律、規則などのあちこちに書いてあることをまとめると、医療法人の定款変更は原則として知事の認可が必要だけど、比較的軽微な事項である、事務所の所在地、公告の方法の変更については、例外として知事の認可は要りません。(認可ではなく、届出事項とされています。)

そうすると、従たる事務所を設置するってことは、事務所の所在地の変更だから、定款の変更について知事の認可は要らない!!って結論になりそうなのですが・・・

結論は!

県の回答は・・・

従たる事務所を新設する場合の定款変更には、知事の認可が必要!とのことでした。

つまり、知事の認可が不要となるのは、新設ではなく、既設の事務所の移転の場合に限られるのでしょう。
(主たる事務所を他府県に移転する場合は、知事の認可が必要ですよ。)

従たる事務所の新設に知事の認可は不要!!とのネット情報がありましたが、県、法務局にも照会したところ、従たる事務所の設置には知事の認可を要するとのことです。

認可を受けずに、従たる事務所を設置していると、県から指導を受ける可能性もございます。ご注意下さい。

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