こんばんは!神戸の司法書士の塚本です。
以前の記事 マイクロ法人の設立 の続きです。(守秘義務のため多少のデフォルメがありますのでご了承下さい。)
個人事業主の国民健康保険料の節約につながるマイクロ法人の運営。
節税が目的のマイクロ法人だから、コストはできるだけ掛けたくない!マイクロな法人でいいだろう!ってことで、資本金数万円の合同会社を設立してみたAさん。
ところが、事業に必要な法人口座開設が、マイクロな法人だと難しいって噂を耳にしたそうです。
実際のところ、小規模な会社の法人口座開設は難しいのでしょうか?
都市銀行(M)のケース
法人口座開設 法人口座開設がご来店不要、Webで完結できるようになりました。と案内されているのですが、
株式会社はWebのみで完結可能なようですが、合同会社はWebでいろいろ申し込んだ後、店舗に赴いての手続が必要になります。(またその来店予約が結構混んでて取りづらいんですよ)
Webでの申し込んだら、その後、マイクロ法人の業務内容や実績(新設したばかりですが)?本店の使用権原などなど、根掘り葉掘り質問、確認されます。
幸い、長年、個人事業主としてM銀行を利用していたAさんは、面談?を経て無事、口座開設が出来ました。
本店をバーチャルオフィスにしている方や、もともと銀行と付き合いがなかった方では、お断り!って結果が待っているような感触でした。
M銀行以外の都市銀行も、ホームページでの案内では、法人口座開設の難易度は、似たり寄ったりだと思います。いちばんつきあいのある銀行に申し込むのがよいでしょう。
Y銀行のケース
BtoCの事業であれば、準備しておきたい「◎うちょ銀行」の口座。
こちらも法人口座開設について、Webで案内されています。
まあ、かなりの書類を要求されるのは、どこの銀行でもおなじです。事業の実績や本店の使用権原などの確認もどこでもおなじ。が、上記の(4)の許認可を得ていること。は、ハードルが高い部分です。
事業目的には、将来行う予定の事業を記載することも多いので、飲食業や、古物商などは事業目的に含めておくことが多いのですが、開業間もない時点では、許認可を受けていないケースが多いと思われます。
実際のところ、将来の見込みで「古物営業法に基づく古物商」と事業目的に記載していたAさんも、主たる事業ではなく、将来行う見込みの事業であると説明し、古物商の許可を得ない状態で、口座開設の審査をパスしています。
建設業や宅建業など、主たる事業に許認可が必要なケースだと、許認可を得てからの申し込みが無難かと思います。
ネット銀行(G)のケース
「法人口座開設 ゆるい」などでググると、おすすめされるのが「G◎◎あ◎ぞらネット銀行」
アフィリエイト(紹介料)が高いのでしょうか?やけにおすすめされています。
で、実際に申し込んでみると、「法人口座開設ナビ」との申し込みサイトに入り、様々な質問への回答や資料の提出を求められます。ネットで完結できるのが良さげなのですが、開業間もない会社には実績などある訳ないにもかかわらず、会社の実績を証明する資料をこれでもかと要求されます。
開業したばっかりで、そんな実績ある訳ないやん、と放置していると、メールやラインで、「【重要】法人口座が開設できておりません。法人口座開設ナビへログインし内容をご確認ください」などと再三催促されちゃいます。
催促されても、実績なんか簡単に出来ませんやん!ってしばらく放っておいたら「口座開設のお申込を取り消しました」なんて言われてしまいました。
まあ、都市銀行(M銀行)と◎うちょ銀行で口座開設ができたAさんは、こんな銀行口座いらんかったよかったとのことでした。
なにかと便利なネット銀行ですが、法人口座として必須になる社会保険料の自動引き落としの対象外の銀行が多いようです。まあ、自動引き落としじゃなくてもネットで振込めば大丈夫ですが・・・
まとめ 法人口座開設は難しいのか?
審査がゆるいと言われている銀行が、NGでした(本気ではなかったので)
M都市銀行、◎うちょ銀行では開設できました。が、過去の銀行取引の実績(代表者の信用)などによるものでしょう。
結論としては、過去に事業実績なしで、資本金が少額の合同会社では、法人口座開設は、なかなか難しいようです。
資本金300万円以上の株式会社で、本店がバーチャルオフィスでなければ、まあ問題ないでしょう。
M&Aの現場で会社の売主さんとお話ししていたところ、畑違いの方から、会社を買いたいって引き合いがあったので理由を聞いたところ、「都市銀行の法人口座が欲しいから」だったそうで、なんじゃそら?ってことでお断りしたそうです。そんなに貴重なものなのでしょうか?