ご無沙汰しております。神戸の司法書士の塚本です。
今日は、以前にご依頼頂いたお客さんから、もう、ずいぶん前に完済した住宅ローンの登記を消したいんだけど、
その時受け取ったはずの書類を失くしてしまった! どうしたらいいの?
という、お問い合わせ&ご依頼を頂きました。
締め切りがないと・・・
まあ、前提として、ローン完済の登記など「権利の登記」は、義務ではありません!
家を買って、自分の名義にするための登記をサボることはあまりありませんが、ローンを完済した際の登記なんて、締め切りがなく、費用が掛かるとなると、放っておいちゃうのが、フツーの人の心情ですよね。
で、そのまま、時間が経過する間に、完済した銀行から受け取った書類がどこかに行っちゃった、って、よくあるんです。
再発行できない書類に代わる手続!
なくしちゃったのは仕方がないので、借りていた銀行に書類の再発行を!
と考えそうですが、完済の際に受け取った書類には、「登記済証」という再発行できない書類が含まれています。
したがって、このようなケースでは、無くなってしまった「登記済証」に代わる手続が必要。
今回のご依頼のようなローンの登記の抹消するケースでは、事前通知という制度を利用するのが一般的です。
事前通知制度とは・・・
結局のところ、銀行へ書類を紛失したことを伝え、抹消登記へ協力頂くようお願い(銀行の実印を押した委任状と印鑑証明書を発行してもらう)し、「登記済証」を添付せずに、法務局へローンの抹消登記を申請します。
申請を受けた法務局は、添付されるべき「登記済証」が添付されていないので、本当に抹消してもいいのかどうか銀行に
「こんな登記が申請されましたけど、ホンマでっか?」と確認し、銀行からの
「ホンマです!」
との回答をまって、登記手続が進む、事前通知制度とはこのような制度です。
大手の金融機関なら大丈夫ですが・・・
今回のご依頼では、抵当権者(抹消の相手方)は、「星和信用保証」、現在の「ニッセイ信用保証」(生命保険最大手の関連会社)です。
長年放置してしまうと、会社の名前が変わったりしますが、このような大手のきちんとした会社であれば、調べれば何とかなります。割とスムーズです。が、
会社が合併したり、倒産したりすると、非常に手間がかかることも。
さらに、銀行などの法人ではなく、個人が抵当権者で、その方が亡くなったりすると「さあ大変!」
締め切りがないからといって放置しないで、早めの手続がお得ですよ!