こんばんは!神戸の司法書士の塚本です。
昨日(3月19日)、当事務所のサイトの記事(成年後見人。親族がなれるケースとなれないケース)へアクセスが急増しているって警告のメールが届きました。
原因は、Yahooのトピックスにもなっていた
「成年後見「親族望ましい」 最高裁、家裁に通知 選任対象」のニュースでしょうか?
成年後見制度の利用を申立てすると、親族ではなく、司法書士等の専門家が選任されることが多い状況を、最高裁判所は「望ましくない」と考えているようです。
結論としては、当たり前です。専門職後見人でもある私も、もちろん、親族が後見人になることが望ましいと考えます!
ただ、記事にあるように「成年後見制度の利用が低迷」しているから「利用者がメリットを実感できる仕組みに変える」ことが目的だとすると、???となってしまいます。
そもそも、当初、親族を後見人に選任することで起こった問題、弊害の解消のために、専門職後見人が増加したはずなんですが・・・それを「望ましくない」から、元に戻す?のでしょうか?
成年後見制度の利用者って誰?
単純に「売れないから値引きする」ってこと?ではないのでしょうが、メリットを感じるべき成年後見制度の利用者って、被後見人さんでしょうか?被後見人さんの親族のことでしょうか?
成年後見の制度上、親族さんのメリットが、被後見人さんのデメリットになったりします。それを防ぐのが、成年後見人の重要な役割だったりします。成年後見人は被後見人さんのために活動するので当然!
例えば、成年後見制度では、相続税対策は出来ません。相続税を払うのは、被後見人ではなく、親族(相続人)なので、相続税対策とは、親族の利益のためと考えられているからです。
当たり前ですが、誰も、自分の子供に、多額の相続税を払ってほしいなんて思っちゃいないんですが、現状の成年後見制度では、相続税対策は不可!となっています。まあ、一般常識的にはおかしな判断でしょう。
ですが、これを許容する方向へ変えると、どこまでならOK?いくらまでならOK?ってことになり、極論、親の財産でレオ●レスや●東建託でアパート経営!なんてことになって、まあ、成年後見制度は、何の意味もなくなります。
ですので、どこかで歯止めをかける必要があるところ、数多い事件の個別の事案1つ1つに、家庭裁判所が柔軟かつ適正に判断をってのは、まあ、無理な話でしょう。絶対的に人が足りないんで!
そこで、司法書士等の専門職後見人を活用したところ、利用者(親族)の不満が鬱積!!って現状。
つまるところ、成年後見制度の利用者の不満の根っこには、「親の財産の使い方に他人(専門職後見人)がクビ突っ込むな!」「専門職後見人の報酬がもったいない!」ってものでしょうから、そんな不満を解消するとすると、成年後見制度は廃止!ってことでしょうか?
とは言え、身寄りのいない方々、財産の少ない方々など、本当に成年後見制度を必要とされる方々は数多くいらっしゃいます。そんな事案に対応しているのは、司法書士などの専門職後見人。それも現実です。